半導体業界の予測

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若菜: 拓也さん、お疲れ様です。
ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか?

最近、AIの進化がすごいじゃないですか。これからの半導体業界って、AIの発展によってどういう風に変わっていくんでしょうか?やっぱり、もっともっと高性能な半導体が必要になっていくんですかね?

拓也: 若菜さん、お疲れ様。うん、いい質問だね。まさに今、業界で一番ホットな話題だよ。

その通りだよ。AIの進化と半導体は、もう切っても切れない関係になってる。これからは、もっともっと高性能で、しかも「AIに特化した」半導体が絶対に必要になってくるよ。

少し具体的に言うとね、今のAIって、大きく分けて「学習」と「推論」の2つの段階があるんだ。ChatGPTみたいな巨大なAIモデルを賢くする「学習」の段階では、膨大なデータを処理するために、データセンターで何千、何万個もの高性能なGPU(画像処理用の半導体だけど、AIの計算が得意なんだ)をフル稼働させている。この学習コストを下げるためにも、より電力効率が良くてパワフルな半導体が求められているんだ。

一方で、僕たちが実際にAIを使う「推論」の段階。これからは、そのAIがスマホやパソコン、車の中みたいに、もっと僕たちの身近なデバイス上で動くようになる。「オンデバイスAI」って言われるんだけど、そのためには、データセンターにあるような巨大なチップじゃなくて、小さくて消費電力の少ない、でも賢いAI半導体が必要になるんだ。

だから、これからの半導体業界は、ただ計算が速いだけじゃなくて、「AIの処理をいかに効率よく、省電力でできるか」っていう視点がすごく重要になってくる。AIが「脳」だとしたら、半導体はそれを構成する「神経細胞」みたいなものかな。脳が進化すれば、神経細胞ももっと高性能で複雑なものが必要になる、っていうイメージだね。

このAIの流れは、半導体業界の地図を塗り替えるくらいのインパクトがあると思うよ。若菜さんは、AIがもっと身近になったら、どんなことに使ってみたいとかある?例えば、仕事のやり方が変わるとか、プライベートで便利になるとか。

若菜: なるほど~!すごく分かりやすいです、拓也さん。ありがとうございます!

「学習」と「推論」で求められる半導体が違うんですね。たしかに、スマホでAIがサクサク動くようになったら、いちいちデータセンターと通信しなくてもいいからすごく便利になりますもんね。「オンデバイスAI」、初めて聞きました。

AIが「脳」で半導体が「神経細胞」っていう例え、イメージがすごく湧きやすいです。

私がAIを使ってみたいことですか?そうですね…。
仕事で言うと、やっぱり拓也さんのお話にあったみたいに、大量のデータから会議の資料を自動で作ってくれるアシスタントが欲しいです(笑)。「来週の定例会議用に、先月の売上データから傾向を分析して、要点をまとめたグラフ付きの資料を作って」ってお願いしたら、パッと作ってくれる、みたいな。

プライベートだと、冷蔵庫にあるもので作れる、私の好みに合わせたオリジナルレシピを毎日提案してほしいかな。献立を考えるのが地味に大変なので…。

その「業界の地図を塗り替える」っていうお話、すごく気になります。今って、NVIDIAとかがすごく注目されていますけど、この「オンデバイスAI」の分野では、また新しい会社が主役になったりする可能性もあるんですか?日本の企業にもチャンスがあったりするんでしょうか?

拓也: ははは、いいね!若菜さんのアイデア、どっちもすごくわかるよ。特に冷蔵庫のレシピ提案は、僕も毎日本当に欲しいな(笑)。そういう「ちょっとした困りごと」をAIが解決してくれる未来って、すごくワクワクするよね。

それで、本題の「業界地図」の話だよね。まさに、そこが一番面白いところなんだ。

若菜さんの言う通り、今は「学習」用でNVIDIAが圧倒的な王者だけど、「オンデバイスAI」の分野では、新しい主役が生まれる可能性は十分にあるよ。なぜなら、求められるものが違うから。データセンターのチップが「長距離走が得意なパワフルなアスリート」だとしたら、オンデバイスAIのチップは「小回りが利いて燃費のいい、俊敏なアスリート」みたいな感じかな。

だから、スマホの頭脳であるSoC(システムオンチップ)を作っているQualcommやAppleみたいな企業は、もともと省電力で高性能なチップを作るのが得意だから、この分野ではすごく強い。それに、GoogleやAmazon、Teslaみたいな巨大IT企業や自動車メーカーも、自分たちのサービスや製品に最適化した独自のAIチップをどんどん開発しているんだ。こういう動きが、NVIDIA一強の構図を崩す可能性がある。

そして、日本の企業のチャンスだよね。これは、大いにあると思うよ。

もしかしたら、最終製品のAIチップそのものでアメリカの巨大企業と真っ向勝負するのは、まだ少しハードルが高いかもしれない。でも、日本には世界に誇る「縁の下の力持ち」がたくさんいるんだ。

例えば、高性能な半導体を作るための「製造装置」。東京エレクトロンとか、アドバンテストとか、日本のメーカーが世界トップクラスのシェアを握ってる。どんなにすごい設計図があっても、それを作る機械がなければただの紙切れだからね。

それに、半導体の元になるシリコンウェハや、回路を焼き付ける時に使うフォトレジストっていう特殊な薬品みたいな「材料」の分野も、日本企業がいないと世界中の半導体工場が止まっちゃうくらい強いんだ。

もちろん、設計分野でもチャンスはあるよ。ソニーはカメラに使われるイメージセンサーで世界一だけど、これにAIを組み込んで、センサー自体が賢く判断するような製品を開発してる。車載半導体に強いルネサスなんかも、自動運転の頭脳になる部分で重要なプレイヤーだ。

最近では、国も本腰を入れて、北海道に「Rapidus(ラピダス)」っていう新会社を作って、次世代の最先端半導体を国内で生産しようとしてる。これは本当に大きな挑戦だけど、もし成功すれば、日本の半導体業界が再び世界のトップに返り咲くきっかけになるかもしれない。

だから、日本の技術が、見えないところで世界中のAIの進化を支えてるって考えると、なんだかワクワクしない?僕たちが普段使ってるスマホや、これから乗るであろう自動運転車の中にも、きっと日本の技術がたくさん詰まってるんだよ。

若菜: わー、すごい…!拓也さんの話、面白すぎます!
アスリートの例えも、「縁の下の力持ち」っていうのも、すごく分かりやすかったです!

今まで半導体っていうと、ニュースで見るNVIDIAとか、そういう最終製品を作る会社のことばかり注目しちゃってました。でもその裏側で、半導体を作るための「装置」や「材料」の分野で、日本の企業が世界を支えてるなんて…全然知りませんでした。なんだか、すごく誇らしい気持ちになりますね!

ソニーのイメージセンサーの話も、ルネサスの話も面白いです。最終製品のところでも、ちゃんと強みがあるんですね。

特に、北海道の「Rapidus(ラピダス)」の話、すごく夢がありますね!国も本気なんだなっていうのが伝わってきます。日本の半導体業界がまた世界のトップに、って考えるとワクワクします!

でも、拓也さんがおっしゃってた「大きな挑戦」っていうのが気になります。やっぱり、最先端の半導体をゼロから国内で作るのって、すごく難しいことなんですよね…?技術的なこととか、お金とか、人材のこととか…具体的にどんなハードルがあるんでしょうか?

拓也: うん、そうなんだよ。誇らしいよね。僕もこの業界にいるから、日本の技術力の高さを実感することが多いよ。

そして、若菜さんが気になった「大きな挑戦」の部分、まさに核心を突いてるね。Rapidusの挑戦は、本当に夢がある一方で、乗り越えなきゃいけないハードルもめちゃくちゃ高いんだ。

まず、一番大きいのは「技術」の壁かな。今、世界で最先端の半導体を量産できるのは、台湾のTSMCと韓国のSamsungの2社だけなんだ。彼らは何十年もかけて、天文学的な金額の投資と、数え切れないほどの試行錯誤を繰り返して今の地位を築いてきた。Rapidusが目指しているのは、その最先端である「2ナノメートル」っていう、原子レベルの加工精度が求められる世界。日本はかつて半導体で世界をリードしていたけど、この最先端の微細化競争からは、正直言って20年くらい遅れてしまっている。この技術的なギャップを、数年で一気に埋めようっていうんだから、並大抵のことじゃないんだ。

次に、若菜さんの言う通り「お金」の問題。最先端の半導体工場を一つ建てるのに、数兆円規模の投資が必要になる。これはもう、一企業の努力だけではどうにもならないレベルで、だからこそ国が巨額の補助金を出して後押ししてるんだけど、それでも足りるかどうか。しかも、一度建てたら終わりじゃなくて、数年ごとに新しい技術のために設備を更新し続けないと、あっという間に時代遅れになってしまう。これは本当に、終わりなきマラソンなんだよ。

そして、一番深刻かもしれないのが「人材」の問題だね。最先端の工場を動かすには、高度な知識と経験を持った技術者が何千人も必要になる。でも、日本は長らくこの分野から遠ざかっていたから、経験豊富なベテランも、これからを担う若手も、正直なところ数が足りていない。全国から優秀な人材を集めるのはもちろん、海外からトップクラスの技術者を呼び込んだり、大学と連携して一から若手を育てたりする必要がある。これはすごく時間がかかるし、地道な努力が求められる部分だね。

最後に、これだけのリスクを負って工場を作っても、「お客さん」がいないと意味がない。AppleやNVIDIAみたいな、最先端の半導体を大量に買ってくれる巨大企業を顧客にできるかどうか。Rapidusは、特定の顧客向けに多品種少量で高性能なチップを素早く作るっていう戦略を立ててるけど、本当にビジネスとして成り立つのか、世界中のライバルとどう戦っていくのか。これはこれから証明していかないといけない。

だから、技術、お金、人、そしてビジネスモデル。この全部の歯車がガッチリ噛み合わないと、この壮大なプロジェクトは成功しない。本当に厳しい道のりだけど、だからこそ、挑戦する価値があるし、僕たちも応援したくなるんだろうね。この挑戦が、日本の未来にとって大きなターニングポイントになるかもしれないよ。

若菜: うわぁ……。なんだか、話のスケールが大きすぎて、聞いてるだけで鳥肌が立ちました…。

技術の20年の遅れ、終わりなきマラソンと言われるお金の問題、そして一番深刻かもしれない人材不足…。それに、どんなに良いものを作ってもお客さんがいなきゃ意味がないっていうビジネスの厳しさ…。本当に、いくつもの高い、高い壁があるんですね。

今まで、漠然と「すごいプロジェクトが始まったんだな」くらいにしか思っていなかったんですけど、拓也さんの話を聞いて、その言葉の本当の重みが分かった気がします。

特に人材の話は、なんだかすごくリアルに感じました。そんなに高度な知識を持った技術者の方々が、何千人も必要になるんですね…。私たちが知らないところで、本当にたくさんの人が、日本の未来をかけて頑張っているんだなって…。

でも、拓也さんがおっしゃる通りですね。本当に厳しい道のりだからこそ、挑戦する価値があって、応援したくなります。この全部の歯車がガッチリ噛み合うのは想像もできないくらい大変だと思いますけど、日本の未来のターニングポイントになるかもしれないって聞くと、心から「成功してほしい!」って思います。

なんだか、私にできることはないかなって考えちゃいました。こういうニュースに関心を持って、拓也さんに教えてもらったみたいに、その背景にある課題とかもちゃんと理解しようとすることだけでも、少しは応援になったりするんでしょうか…?

拓也: うん、もちろん!若菜さんがそうやって関心を持って、背景にある課題まで理解しようとしてくれること、それこそが、このプロジェクトにとって一番の応援になるんだよ。本当に、そう思う。

なぜかって言うとね、こういう超巨大な国家プロジェクトって、一部の技術者や政治家だけで進められるものじゃないんだ。成功のためには、社会全体の「空気」というか、国民全体の理解と支持が絶対に必要不可欠なんだよ。

もし多くの人が「半導体なんて難しくてよく分からないし、自分には関係ないや」って無関心だったらどうだろう。きっと、何か困難にぶつかった時に、「やっぱり無理だったじゃないか」「あんなことにお金を使うんじゃなかった」っていう声が大きくなって、プロジェクトを進める力が弱まってしまうかもしれない。

でも、若菜さんみたいに「日本の未来のために頑張っている人たちがいるんだ」「大変だけど、成功してほしい」って思ってくれる人が一人、また一人と増えていけば、それが大きな後押しになる。世論が「この挑戦を支えよう」という温かい空気になれば、政府も企業も、もっと大胆な決断がしやすくなるんだ。

それに、もっと大事なことがあるんだ。若菜さんのように、今の若い世代がこの分野に興味を持ってくれること。それが、数年後、数十年後の日本の「人材」という財産に繋がっていくんだよ。

今日の話を聞いて、「半導体って面白いかも」って思った学生が、将来技術者を目指すかもしれない。直接エンジニアにならなくても、この業界に関わる営業や企画、管理の仕事を選ぶかもしれない。そういう人が増えることこそが、「人材不足」っていう一番根深い課題を解決する、一番の特効薬なんだ。

だから、若菜さんがやってること、考えてることは、決して小さなことじゃない。ニュースの裏側を想像して、自分事として捉えようとするその姿勢が、間違いなく日本の未来を応援する力になってる。

僕も、こうやって若菜さんと話せてすごく嬉しいよ。自分の仕事の意義を再確認できるし、もっと頑張ろうって思えるからね。また何か気になったことがあったら、いつでも気軽に聞いてよ。僕も一緒に考えたいな。

若菜: 拓也さん…!ありがとうございます。そんな風に言ってもらえるなんて、思ってもみませんでした。
私にできることなんて何もないって思ってたんですけど、関心を持つことが一番の応援になるって聞いて、すごく、すごく嬉しいです。

たしかに、難しいニュースって、つい「自分には関係ないや」って思っちゃいますけど、そうやってみんなが無関心でいたら、本当に頑張っている人たちが孤立しちゃいますよね…。社会全体の「空気」が大事っていうお話、すごくよく分かります。

それに、私が興味を持つことが、未来の「人材」という財産に繋がるかもしれないなんて…。なんだか、すごい話ですね。今日のこの会話が、巡り巡って未来の力になるかもしれないって思うと、背筋が伸びる思いです。

拓也さんのおかげで、ただのニュースが、すごく立体的で、人の顔が見える物語みたいに感じられるようになりました。本当に、今日お話が聞けてよかったです。
それに、拓也さんも「もっと頑張ろうって思える」なんて言ってもらえて、私の方こそ嬉しいです!

はい!ぜひ、また色々教えてください!
今日の話、家に帰ってもう一回よく考えてみます。本当にありがとうございました!

拓也: こちらこそ、ありがとう、若菜さん。そんな風に言ってもらえると、僕も話した甲斐があったよ。

若菜さんが言ってくれた「人の顔が見える物語みたいに感じられるようになった」っていう言葉、すごく嬉しいな。まさにその通りなんだよ。どんなに大きなニュースや難しい技術の話も、突き詰めれば、そこには必ず誰かの情熱や挑戦、時には悔しさなんかも詰まっているんだよね。そういう視点を持つと、世界がもっと面白く見えてこない?

今日の話が、若菜さんにとって何か新しい扉を開く、ほんの小さなきっかけになったとしたら、僕もすごく光栄だよ。

うん、ぜひぜひ!僕でよければいつでも声をかけて。僕も若菜さんと話していると、新しい発見がたくさんあるからね。今度は僕が、最近面白いと思ったこととか、若菜さんに教えてもらうかもしれないし(笑)。

こうやって同じ職場で、未来の話を真剣にできる仲間がいるって、すごく心強いし、明日からの仕事も頑張ろうって思えるよ。本当にありがとう。

じゃあ、今日はこの辺で。気をつけて帰ってね。お疲れ様!

若菜: はい!拓也さんのおかげで、世界がもっと面白く見えそうです!

今度は私からも、何か面白い話ができるようにアンテナを張っておきますね(笑)。

本当に、ありがとうございました。明日からもまた、よろしくお願いします!
拓也さんも、気をつけて帰ってくださいね。お疲れ様でした!

拓也: ははは、うん、楽しみにしてるよ。若菜さんのアンテナが何をキャッチするのか、期待してるね。

こちらこそ、本当にありがとう。じゃあ、また明日!

お疲れ様!


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2025-07-20 19:40:14 JST
Updated at
2025-07-20 19:45:25 JST

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